大切なものは目に見えない!知られざる地面や地球の世界を探求しよう

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立春を迎えたものの肌寒く、本格的に暖かくなるのが待ち遠しいこの頃。春といえば花見で満開の桜を愛で、土の中から一気に芽吹く草木を楽しむ時期だが、周辺ではまだそんな様子も見られない。

「今こうしている間にも、土の中では動植物たちが春の準備をしています。表面には見えにくいですが、地球は土の中に、大切な世界を隠しているのです」と代官山 蔦屋書店の児童書コンシェルジュ山脇陽子氏は話す。

土の中では植物たちがどんな暮らしをしているのか、そこからどんな世界が広がっているのか。春がくる前にひと足早く、地面の世界の魅力を探求してみよう。

地下世界をのぞける、書籍6選

1948年創刊、色褪せない普遍の本

『じめんのうえとじめんのした』

(アーマ E.ウェバー 著・イラスト、藤枝 澪子 翻訳、福音館書店 刊)

さまざまな植物を地上と地下の2つの世界を色分けして、単純明快に描く。根の種類や食物連鎖が視覚的に理解できる。「嘘偽りない事実を分かりやすく説明する、普遍の本です。子どもがじめんのしたやじめんのうえにある世界に初めて触れるにはぴったりの一冊です。 『じめんのうえにすむ動物も じめんのしたにすむ動物も しょくぶつのおかげでいきているのです』とあるように、 生態系のサイクルや食物連鎖、環境問題への関心の種をまく、という 願いが感じられ、美しく語らねば科学ではないという強い意志すら伝わってきます」

真実を見つめる目を育む

『地球―その中をさぐろう』

加古里子 著・イラスト、福音館書店 刊

地球とは何か、地球はなぜできたのかを、身の回りの動植物から人工物、地下世界、マグマ、そしてビックバーンへと展開しながら探求する科学の絵本。登場する動植物や人工物の1点ずつに、名前と大きさが細かく記載されている。

「子どもは未来であり、未来に生きる子どもたちのために、昨年御年88歳の米寿でいらっしゃる かこさとし(加古里子)さんは、自分の住む地球ではどんな生きものであるのかを知り、つながりや恩恵に対し敏感であり、自分で考え、自分で判断できる、そういう賢さをもつことを問い続けて下さいます。 そのような一貫した姿勢を伝えてくれる『かがくのほん』シリーズの一冊です。 さああなたといっしょにちきゅうのなかをさぐってみましょう、と平易な言葉だけで語られるも、 地球の中からはてしなく深まり広がる壮大な科学物語です。未来を作る存在である子どもたちが、自ら考えて真実を見つめ、賢い選択ができるようにという、作者の強いメッセージが込められています」

土は自然の芸術家

『土のコレクション』(写真右)

栗田宏一 著、フレーベル館 刊 ※復刊未定

『土の色って、どんな色』(写真左)

栗田宏一 著、福音館書店 刊

現代美術のアーティストである栗田宏一氏が、日本各地1万種類をめぐる土を採取したサンプルをビジュアルで紹介。

「栗田さんは、アフリカやインドを転々として日本のことを全く知らなかったことに驚き、地面の足元のことから見つめなおしてみようと、土のありのままの美しさと色彩の多様性とを 伝える作品を発表し続けているアーティストです。一握りの中の宇宙、という何億万年前からの悠久な時からきた慈しみの現れであり、各地の土の色の違いは大変美しくかつ興味深く 自然界の作り出した土そのものが大地の芸術であることを教えてくれます。辰巳さんも、 土に還るというけれど、自分の出てきたところ、それを体感することのない暮らしは弱いわね。 土にさわる、土と一体となることで命はひとつと実感できる、と語ります」

土は海に繋がり、そして命につながる

『手から心へ 辰巳芳子のおくりもの』

河邑厚徳 著、NHK出版 刊

ドキュメンタリー映画『天のしずく 辰巳芳子“いのちのスープ"』(2012年11月公開)の監督である著者が、映画では伝えきれなかった料理家・辰巳芳子氏の魅力を紹介する書。

「各地の土を採集するアーティストの栗田宏一さんと、料理家の辰巳芳子さんの対談が収録されています。いのちの源、水は天と地の間を循環しながらあらゆるいのちを育み 水の恵みと呼応する存在として大地の不思議について語りあっています。1センチの高さの土が汚れてしまうと、直すのには100年の年月がかかるのだそうです。食物が育つ土を大切にすることは、命を大切にすることなのです」

『森・川・海 つながるいのち』

畠山重篤 著、宍戸清孝 写真

「海は森の恋人」をキャッチフレーズにカキ養殖業を営む著者が、自らの体験を基に森・川・海の命のつながりの循環を教える一冊。水揚げ量が減った原因を調べていた著者は、海の水が汚れていることに気が付いた。再びプランクトンが育つ海になるには鉄が必要だと分かり、さらには、その鉄は森の土の中から川へ、海へと流れてきていたことを知ることになる。

「土は92種類の元素からできていて、うち35%が鉄です。海をきれいにするには海だけではなく、森の土をきれいにしなければなりません。大地と森と川と海、全ての命のつながりが分かる一冊です」


人間は地球に住まわせてもらっていること、自然の循環の一部に過ぎないことを、私たちはつい忘れがちだ。

サン=テグジュペリの代表作『星の王子さま』では、砂漠の世界を舞台に「大切なものは目には見えない」という有名な言葉が出てくる。普段は見えにくい地面の下や地球のまんなかの世界の理解を深めることで、 地球という限りある資源、そして生命のつながりの大切さを思い出したい。

(文:山岸早瀬 写真:(C)Blackzheep)

【代官山 蔦屋書店】
児童書コンシェルジュ 山脇陽子 氏

2011年オープン当初から同店のコンシェルジュへ。大学・大学院時代は日本語日本文学の古典文学を専攻し、高校の国語教師の免許を取得。育児が文学としての児童書を見直すきっかけに。ファミリーで楽しめる世代を越えて読み継がれる名作やライフスタイル提案を行っている。

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