岡本仁氏、伝説の雑誌遍歴/代官山 蔦屋書店3周年企画「WE RESPECT...」

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代官山 蔦屋書店が開店3周年を迎えることを記念して、「WE RESPECT...」と題し、12月2日(火) に代官山 蔦屋書店1号館 2階 イベントスペースにて、岡本仁氏のトークイベントが行われた。

岡本仁氏は、マガジンハウス(旧:平凡出版)にて『BRUTUS』『ku:nel』『relax』などに編集者として携わったのち、2009年よりランドスケーププロダクツにて、かたちのないもの担当、『暮しの手帖』(暮しの手帖社)にて「今日の買い物」を連載するなどゆるりと活動中。そんな岡本氏が大切にしていることとは? 岡本氏が手がけた雑誌遍歴をうかがいつつ聞いた。引き出した聞き手は『&Premium』などのディレクターを務める柴田隆寛氏。

マガジンハウスの営業社員からスタートした岡本氏。「おもしろいやつが営業にいる」と社内で話題になり、編集部へ異動になったことから岡本氏の編集人生がはじまる。『ELLE JAPON』編集部を経て、『BRUTUS』編集部へ。その後『Tarzan』にも在籍。「この頃は何をやってもおもしろかった」と岡本氏は語る。

伝説多数! 岡本仁が歩んできた雑誌遍歴とは

『GULLIVER』時代 やっとやりたいことがやれるようになってきた

―『Tarzan』の次の『GULLIVER』ではいかがでしたか?

「人気テレビ番組『トゥナイト2』のコメンテーターなども務めた有名編集者・石川次郎氏が編集長をつとめていました。そこで僕は立場上キャップというチームリーダーのような存在になったんです。『GULLIVER』はふたつデスクがあったんですけど、そのうちのひとつの企画をコントロールする立場で。このときに初めて、副編や編集長と対等にやるべきだとか、企画の担当に対して意見が言えるようになった。当時の『GULLIVER』のアームチェアトラベル(本を読むことが旅だ)というスタンスが自分的にかけ離れすぎていて、旅で面白いのは失敗談だと主張してやった最初の号がこれなんです」


『BRUTUS』時代 50年代のイームズ・チェアを未来のチェアと形容した

―『GULLIVER』休刊後、『BRUTUS』で作られたのが、イームズ特集なんですよね。この号は本当に自分で覚えていて。学生の時だったんですけど、これを見て、すぐにシェルチェアを買いに行きました。それくらい影響を受けました。

「本が大ベストセラーになって。当時の編集長が、湘南プロヴァンスという特集を作ったんです。その時たまたま鎌倉に住んでいて。スタイリストが和室に、イームズのラシェーズという横長の寝椅子を持ってきたりしていて、そのとき初めて現物を見てたんです。それでイームズ、おもしろいなあと思って。50年代のことを知っている人にとっては、昔の家具。知らない人にとっては今一番かっこよく見える家具、そんな存在なんですよね。すぐに特集にとりかかりました」

『relax』時代 やりたいことが形になった

―『relax』を手掛けられた経緯は?

「マガジンハウスで新雑誌のコンペが行われたんです。現『BRUTUS』編集長の西田善太さん、現『GINZA』編集長の中島敏子さんたちと『fab』という雑誌を作ったんですね。本当に自分たちが作りたい雑誌、読みたい雑誌を企画書代わりに。印刷は会社のコピー機で、部数は60部。これがリニューアル後の『relax』の原型になるわけなのですが。

僕は『relax』の創刊編集長じゃないんですよ。創刊編集長は椎根和さんという伝説の編集者の人で。当時はストリートファッション誌だったんです。それは6号で休刊になり、2000年に復刊します。このタイミングで僕が編集長になりました。ADには小野君という『fab』をやってくれた人。副編集長も中島敏子さんだから『fab』がいよいよカタチになる感じだった。あくまで僕のなかでですが。

僕は結構制約を楽しめるタイプで。印象に残っているのは、すべてモノクロしばりで作った号。カメラマン、ライター、スタイリストなどがそれぞれ、『モノクロでやるとしたら』と考える。それがおもしろいんです」

現在 マガジンハウス退社、編集とはどこの会社でも必要なのだ

―2009年にマガジンハウスを退社されて、ランドスケーププロダクツに入社されたわけですが。かたちのないもの担当として、編集を仕事としておられますね。

「編集というのは雑誌を作ることだったり、本を作ることだったり、例えば映像の編集でもいいです。そういう事だけのためになる技術ではなくて、普通の会社が普段やっていることをより面白くしていくために、自分たちのしていることを編集して、外に伝えるという事というのは、絶対にどの場所にも必要なこと。そういう役割として自分がそこに加わることに意味はあると思うんです。どの会社にも僕は関わる隙間はあると思うんです」


「編集」というかたちのないものを、かたちのあるものにうまくなじませて、かたちのあるものをより際立たせる。それが「編集」というかたちのないものの役割なのだと、岡本氏の言葉、遍歴から感じることができた。

(文・神田桂一)

岡本仁(おかもと・ひとし)

1954年北海道生まれ。マガジンハウス(旧:平凡出版)にて「ブルータス」「クウネル」「リラックス」などに編集者として携わったのち、2009年よりランドスケーププロダクツにて"かたちのないもの担当"を務めている。著書に『今日の買い物』『続 今日の買い物』(ともにプチグラパブリッシング)などがある。またマガジンハウス在籍中に手がけた雑誌図版については、「東京の編集」(編・著:菅付雅信 / ピエ・ブックス)において詳細が掲載されている。

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