AKB48グループ、ライブで連日の転落事故…弁護士「メンバーの自己責任ではない」

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AKB48オフィシャルブログに掲載された稲垣さんのコメント

4月1日にさいたまスーパーアリーナで開催された「AKB48単独コンサート・夜公演」で、AKB48の稲垣香織さんがパフォーマンス中、高さ2.7メートルのステージから落下して後頭骨を骨折するけがを負った。前日の3月31日にも、HKT48が同じステージでコンサートを行い、秋吉優花さんがステージから落下。足の指を骨折するけがを負っており、ネットでは運営側の責任を問う声が多数上がっている。
稲垣さんは4月3日、グループ公式ブログで「コンサートの最後に、花道から落ちてしまい、皆様にご心配おかけしてごめんなさい」とコメントを発表。5日に予定されていた劇場公演を休演し、代わりに違うメンバーが出演することになった。
合わせて運営側は、「今後は更に安全対策を強化致します。花道に落下防止用の手すりを設置する事等を検討し、ファンの皆さまにご心配をおかけしないよう細心の注意をはらって参ります」とコメントを発表した。
●指原さん「なんでも運営運営っていうのは違う」
AKB48グループ総監督の横山由依さんは4月1日、さいたまスーパーアリーナのコンサートについてツイッターで「事故防止策をスタッフの方々と改めて練る」などとコメントを発表。

HKT48の指原莉乃さんは、横山さんのツイートを引用RTする形で「対策も何もないです、こればかりはステージに立つ人間が気をつけるしかないです」とツイート(現在はツイートを削除)し、「本人たちは絶対に自分の不注意だってわかってるから。。なんでも運営運営っていうのは違うんですよねえ。。」と運営側の安全管理を批判する声に反論した。

こうした指原さんのツイートについて、ネットでは賛否両論が集まっている。
「本人の不注意では片付けられない」「プロは続けて事故は起こさない」「本人の責任で済むほど甘くない」などと運営側の責任を問う声もあれば、「運営とか個人とかの垣根を超えてやらないと事故は防げない」「よほどの過失がない限りは100%運営を悪とするのは確かに違うと思う」と運営側だけの責任ではないとする意見もあった。
今回の事案、運営側の責任をどう考えたらいいのだろうか。冨本和男弁護士に聞いた。
●メンバーの「自己責任ではない」
ーー今回の転落事故は、AKB48グループメンバーの「自己責任」なのでしょうか。
結論から言うと、メンバーの「自己責任」ではないと考えます。ステージに立つ者からすれば、足元ばかり気にしていたら観客に良いパフォーマンスを提供できないと思います。
高さ2.7メートルのステージ上でスポットライトを浴びながら人が行ったり来たりしてパフォーマンスが行われることがわかっているのですから、ステージを設置する側で、花道のスペースを確保したり、落下防止の手すりを設置したり、ステージ下にネットを用意するなどして、事故が起きないようにすべきです。
●芸能人でも「労働者」に該当する判断されることがある
ーーそうなると、労働災害になるのでしょうか。
労働災害というのは、労働者が業務上の理由で負傷した場合が対象となります。ここでAKB48グループのメンバーは、そもそも労働者なのかという疑問を抱く方もいると思います。
労働基準法第9条で、労働者とは「職業の種類を問わず、事業または事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」をいいます。つまり、使用者の指揮命令に従って労務を提供してお金をもらうのであれば、労働者ということです。
一般的に芸能人は、所属事務所との間で契約を結ぶ個人事業者であることが多いです。ただ、その中で仕事の依頼を拒否する自由が制限されているなど、労働者と変わらない実態があるのであれば、労働基準法の「労働者」に該当すると判断されることがあります。
判断は難しいところもありますが、厚生労働省も芸能人(実演家)に労災が適用されることがあるとするリーフレットを出しています。http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11400000-Roudoukijunkyokuroudouhoshoubu/0000145794.pdf
●運営や業者は事故を防止する義務がある
ーー今回の事案で、運営側は法的責任を負う可能性があるのでしょうか。
運営や運営から依頼を受けてステージを設置する業者は、事故が起きないように注意すべき義務(安全配慮義務)があります。そうした義務に違反し、何の対策も講じておらず事故が起きてしまったのであれば、過失があります。
その場合、刑事、民事ともに運営側は法的責任を負うことになります。今回は刑事では、業務上過失傷害罪に、民事でも怪我や休業による損害賠償義務を負う可能性はあるでしょう。
今回は2日連続でアイドルがステージから転落して骨折しています。ステージを設置させる側の危機管理意識が足りなかったのではないでしょうか。危険な場所でパフォーマンスをさせているわけですから、人の命を預かっているという自覚を持っていただきたいと思います。
(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
冨本 和男(とみもと・かずお)弁護士
債務整理・離婚等の一般民事事件の他刑事事件(示談交渉、保釈請求、公判弁護)も多く扱っている。
事務所名:法律事務所あすか
事務所URL:http://www.aska-law.jp

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