女優・のん『この世界の片隅に』のモンペを手づくり。役作りや制作秘話など【『暮しの手帖』トークイベントレポート】

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女優・のん(撮影:長野陽一)

『暮しの⼿帖』87 号の発売を記念し、巻頭特集でモデルを務め、誌面でもはおりもの制作を体験した女優・のんと澤⽥康彦編集長によるトークイベントが、2017年4月10日(月)に開催された。

手芸が趣味で、プライベートでも洋服などをよく作るというのん。イベントでは、ものづくりの話から、声優を務めた話題作『この世界の片隅に』の裏話まで、さまざまなトークが飛び出した。

役と自分の似ているところを探して、近づける

澤⽥康彦編集長(以下、澤田):まず、(2017年3月に発売されたのんの新刊)『創作あーちすと NON』(のん 著、太田出版 刊)について。この「創作あーちすと」という肩書はどうやって決まったんですか?

のん:絵を描いたり洋服を作ったり、そういうことをたくさんやりたいと思って付けました。アーティスト活動をしたいと思ったんですが、あまりかくばった感じになりたくなくて、うさんくさい感じというかゆるくやろうと思って。平仮名で「あーちすと」にしました。

澤田:(のんが主人公の声優を務めた)『この世界の片隅に』に出てくるモンペも実際に作ってみたとか。

のんさんが実際に作ったモンペ。

のんが実際に作ったモンペ。(撮影:長野陽一)

のん:劇中にすずさんが着物をリメイクしてモンペを作るシーンがあるんです。私も実際に浴衣をリメイクして作ってみました。普通は、全部糸をほどいてひとつの反物にしてから作るみたいなんですけど、すずさんは独自のやり方で、お腹のあたりをぶっつりとふたつに分けて作るんです。それを、劇中のシーンだけを見て作りました。

澤田:声優さんは演技をするわけじゃないですよね。でもモンペを実際に作ってみるって、すごいですね。

のん:すずさんの生活に触れてみたいなと思って、やってみました。ちょっと手間はかかるんですが、映画のシーンだけを見て作れましたよ。

澤田:すずさんの声を演じるにあたって一番意識したことって何ですか?

のん:監督が一番大切にしていたことが、すずさんのおとぼけていたり、チャーミングだったりするところ。綺麗な声は出さなくていいんだって仰っていて。そこを意識しましたね。

澤田:『創作あーちすと NON』で桃井かおりさんと対談されている中でも、のんさんが(演じる)役を解釈するのに、自分に引きつけて考えるってありましたね。

のん:そうですね、自分の中に(役と)似ている感覚はないかなって引っ張り出して、そこから増幅させたりしていきますね。


『とと姉ちゃん』から続く直線裁ち

澤田:(今回の特集への出演は)『この世界の片隅に』のモンペをのんさんが実際に作ったという話を聞いて、じゃあ(『暮しの手帖』で)何かやってもらえないかね、となって。はおりものを作りませんか? と話したら、すぐに実現しましたね。

実は『暮しの手帖』の巻頭特集に女優が出るのって、2009年のジェーン・バーキンさん以来なんです。

のん:そうなんですね! (特集で手掛けたトップコートは)直線だけで作るというのが、魅力的だな思いました。直線を曲げずに縫うのも難しいんですけど、やっぱりカーブを縫うのは(布が伸びてしまって)大変だから。

澤田:『暮しの手帖』は1948年の創刊号から直線裁ちをやっていたんです。『とと姉ちゃん』のモデルとなった大橋鎭子さんが創刊した時から、自分の手でものを作っていこうという精神でここまできています。20年、30年後も同じように続いていくんだろうと思いますね。

洋服の説明をするのん。着ている衣装が、今回の特集で手づくりしたチロル柄のトップコート。(撮影:長野陽一)

のん:今回選んだ布は本当に扱いづらくて。アイロンを低温であてないといけないし、模様合わせも気をつけなければならなくて、時間がかかりましたね。「matohu」さんに教えてもらいながら、勉強させていただきました。(裁縫では)アイロンが重要だってことも分かりました。これまではあんまりやらなかったんですけど、アイロンをかけてから縫うとこんなにスムーズにできるのかって。今回、めちゃくちゃスキルが上がりました。

澤田:(完成するまで)時間かかりましたよね。でも、夜11時とか遅い時間になっても、のんさんだけキラキラしてて。僕ら年取っているし、顔に疲れが出て来る(笑)。面白かった。

朝ごはんに白米6合!?

澤田:最後に来場者の方からの質問を。のんさんは、何をしている時が一番充実していますか?

のん:仕事をしている時ですね。自分自身で表現したり、表に出たり、アウトプットするお仕事なので楽しいです。

のんさん(左)と澤田さん(右)

のん(左)、澤田さん(右)(撮影:長野陽一)

澤田:自分のことを関西人やなと思うことはありますか?

のん:えっと、笑える方向に持って行きたがる。笑わせるのが好きなんですが、そういうイメージを持たれないので、ギャグを言ってもあんまり伝わらないんです(笑)。

澤田:憧れの人は吉永小百合さんということですが、何故ですか?

のん:揺るぎないところに憧れていて。歳を重ねてもあんな風に、透明感のある素敵な女優さんになりたいなと思っていて。なので、透明感を維持しながら成長して行くという気持ちでいます。

澤田:明日、世界が終わるとしたら、何が食べたい?

のん:白米。中学生の時、ちょっと食べ過ぎだったんですけど、朝ごはんに白米6合とか食べてました(笑)。その時ぽちゃぽちゃだったんですけど、白米だけでふりかけも無しで食べるのが好きで(笑)。

澤田:6合はすごいですね(笑)。『暮しの手帖』で、次にやってみたいことはありますか?

のん:刺繍をやったことがないので、カンタ刺繍もすごい興味があります。教えてください。前に挑戦したことがあるんですが、キュッてよれちゃったりとかして、途中で諦めてしまったんです。ぜひやってみたいです。

澤田:ぜひやりましょう。普段、こんなにお客さんの近くで話すことってありますか?

のん:貴重かもしれないですね。あんまり、しゃべることを求められないんで。(笑)

澤田:面白かったです。いつまでもしゃべっていたい。のんさん、今日はありがとうございました。


裁縫の話から仕事やプライベートの話まで、のんと澤田編集長の軽やかな掛け合いに時折笑いが起こりつつ、会場は終始和やかなムードに包まれていた。本号で、アーティストのんの手芸に没頭する一面をぜひチェックしてみたい。

のん
女優

1993年7月13日生まれ。趣味・特技は、ギター、絵を描くこと、洋服作り。アニメ映画『この世界の片隅に』(2016年、東京テアトル)で声優として主人公・すずを演じる。著書に『創作あーちすと NON』(2017年、太田出版 刊)、『のん、呉へ。 2泊3日の旅』などがある。

澤田康彦(さわだ・やすひこ)
『暮しの手帖』編集長

上智大学卒業後、マガジンハウスに入社。『BRUTUS』『Tarzan』『Olive』などの雑誌編集や、書籍部編集長を経て、2016年1月25日発売の80号から『暮しの手帖』編集長に。

暮しの手帖社

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