“考察班”生んだアニメ『けものフレンズ』 熱狂的ファンつけた『エヴァンゲリオン』との「共通点」

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『けものフレンズ』(C)けものフレンズプロジェクト/KFPA

けものフレンズ』(C)けものフレンズプロジェクト/KFPA

2017年のアニメ界に一大ムーブメントを引き起こした『けものフレンズ』。

アニメファンは勿論、アニメを普段あまり観ない人でもSNS上でその名前や話題を見かけたことがある人もいるのではないだろうか。

『けものフレンズ』とはスマートフォン向けゲーム・漫画・アニメなどに渡って展開しているメディアミックスプロジェクトのことであり、中でも2017年1月からテレビ東京系で公開されたアニメで本格的に火が付き、ファンが“考察班”として様々な仮説を披露、Twitterなどでも何度もトレンドに上がるなどして話題をさらった。

単なる「ロードムービー」のはずが…

作品の内容を簡単に説明すると、サバンナのような場所に突然記憶なく放り出されたように迷子になっていた主人公の「かばん」が、動物が人化した存在である“フレンズ”と出会い、自分は何者なのかという探求の旅に出るロードムービーだ。

食料が安定供給されている世界で、弱肉強食もなく優しい“フレンズ”達との交流に観ている人は癒される。ただ、その世界では人類は見当たらず、その文明の退廃した痕跡が奥ゆかしく存在するのみである。

登場するフレンズにも“ヒト”という存在の概念もない。各話が進むごとに人類史を辿るかの如く、主人公「かばん」が“ヒト”らしき能力を使って自身やフレンズの問題を助け、解決し旅を進めていく。

進む視聴者の疑問、SNSで飛び交う「たーのしー!」

視聴者からは主人公「かばん」は“ヒト”なのだろう、という安全な席で作品を眺められるように思われるが、ストーリーが進展するにつれ、物語や世界観の情報が少しずつ、時には大きく提示され、不穏さを感じる。

「かばんちゃんは何者なのか? なぜ記憶がないのか?」
「なぜ廃墟になっているのか? 人類はどうなったのか?」
「フレンズとは何なのか?」

その不穏さや世界の謎と、そこで楽しく生活している“フレンズ”とのギャップが視聴者を飽きさせず、離さない。“癒し”の中に“不穏”や“謎”というスパイスが混ぜ合わされており、感情を振り回されるのだ。

アニメ開始当初は前評判も高くなく、現在の日本のTVアニメの標準から少し外れた3Dだったため、ほとんど注目されていなかった。

だが、放映後に虜になったコアなファンは、SNS上などで作品上に登場する“フレンズ”の会話を模倣し、「すごーい!」「たーのしー!」「わーい!」「~~が得意なフレンズ」「~~ちほー(地方)」など誰でも簡単に使え、“IQが下がる“と好意的に表現される語法を使ったり、提示される謎についてそれぞれの考察を披露したりして、その様子に感化された作品を観ていないファンをも巻き込み、最終的に冬アニメで一番の注目を浴びる形となった。

『エヴァ』と『けもの』の3つの共通点

その謎の提示の仕方に、90年代に大ヒットしたTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』と共通点がある。

「謎」の提示の仕方に仕組みがある

『NEON GENESIS EVANGELION』 (C)GAINAX・カラー/Project Eva.

NEON GENESIS EVANGELION』 (C)GAINAX・カラー/Project Eva.

『エヴァ』では自然災害だと思われていた“セカンドインパクト”が、実は自然災害ではなかったことが途中明らかになるが、発見された“最初の使徒”の調査中に原因不明の大爆発を起こした事故という情報が追加される。それにより、これまで説明がない“使徒”や“人類補完計画”などについて謎が更に深まっていく。

『けものフレンズ』では物語が進む中で、所在不明の“ヒト” について“絶滅”の可能性が示唆されたりもする。その不穏さに、人類は本当に絶滅したのかどうか、なぜ「かばんちゃん」以外はいなくなってしまったのか、襲ってくる“セルリアン”とは何なのかなどについて考えてしまうわけだ。ゆる~い世界に何が起こったのか、気になって仕方がなくなる。

物語の間に情報提供が少しずつされていくが、更に謎や不穏さが深まるところが似ている。

登場人物の会話に「世界観を提示する話」や「単語」が唐突に出てくる

『エヴァ』では“使徒”の来襲から物語が唐突に始まり、“人類補完計画”に始まる数えきれない専門用語がでてくる。

『けものフレンズ』では、専門用語の数こそ少ないが、最初に出会うサーバルから”セルリアン”や”サンドスター”という物語の中心ワードが当然のように展開される。

その単語などについて説明は基本的にされない

両作品とも、その用語について詳しい説明がなされないことも共通している。

情報の提供に説明臭さがなく、それについて考えてもいいし、考えなくてもいい。ただ、それゆえに考えたくなる。「押しつけ感」がないところがポイントだ。そして、考えなかったとしても大いに物語を楽しめる。

「12.1話」も ジワジワくる面白さ

3月28日に『けものフレンズ』は最終話を迎えて、主人公のかばんについての大方の謎はいったん“解答”されたが、世界の謎についてまだまだ不明点はあり、更に新たに謎が提示されている。このあたりも『エヴァ』と同じかもしれない。作品が最終話を迎えても、ファンは残った謎や先の展開について考え、楽しむことができる。

作品の人気上昇を受けたのか、最終回後に新作映像が製作されることが発表された。また、たつき監督曰く「趣味の自主製作」として、TV放映が終了した1週間後の4月4日深夜に、前述の新作映像とは異なる「12.1話」をYouTubeとニコニコ動画上で突如公開した。今後の動向も含め『エヴァ』同様、まだまだその世界に浸って楽しめそうだ。

まだ観ていない方も多くいると思われるので、詳細はお伝えしないが、昨年大ヒットした劇場アニメ作品『君の名は。』や、ヒットした最近のTVアニメと比べてこの作品の1話を観ると、映像の簡素さなどに多少の衝撃は受けるだろう。

しかし、一見簡素な1話も最後まで観れば、感想は大きく変わるかもしれない。最終話まで観た沢山のファンから、見え方が大きく変わったと絶賛の評価が多く見られる。もし、気になって視聴される場合は、長い目で見ていただきたい。

紹介した魅力はこの作品の魅力のごく一部であり、それ以外にも作品全体に漂う優しい空気感、ロードムービーとしての楽しさ、フレンズとの友情や交流、動物の特性を生かした登場キャラクターの魅力など、楽しい語るべき内容が詰め込まれており、とてもすべてをここで語りきることはできない。

これからでも遅くはないので、まだ観ていない人も『けものフレンズ』の世界に足を踏み入れてみてはいかがだろうか。きっとあなたの感情を大いに揺らしてくれることだろう。

(文:aibon)

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